
English Vocal Election (通称EVE) に向けて、
このコンクールを通して皆さんに大切にしてほしいことについて
お話ししたいと思います。
ミュージカルシアターを構成する大きな要素には、
Acting、Dance、Singingの3つがあります。
この3つが一つになることで物語が生まれ、
感情が伝わり、ミュージカルという表現が完成します。
ユースシアタージャパンの活動の中で、
皆さんは日々この3つの力を磨いています。
その中でEVEは、「Singing=歌唱」が主役になる場所です。
自分自身の声と歌に向き合い、
一曲を通して自分らしい表現を届けることができる舞台です。
EVEは、ユースシアタージャパンの中で
長く大切に受け継がれてきた、歴史あるコンクールです。
これまで多くのメンバーがこの舞台に挑戦し、
自分の声で想いを届ける経験を重ねてきました。
その経験をきっかけに自信を深め、ミュージカルやコンサートなど、
次の表現の場へと歩みを進めたメンバーもいます。
EVEは、結果を競うためだけの場所ではありません。
これまで多くの挑戦が積み重ねられてきた舞台に、自分自身も立つこと。
その経験そのものが、メンバーにとって大きな学びとなり、
これからの表現を支える力になっていきます。
EVEのもう一つの大きな特徴は、「英語で歌うこと」です。
英語で歌うと聞くと、発音や歌唱力、
英語を間違えずに歌えるかどうかを気にする人もいるかもしれません。
もちろん、それらも大切です。
けれど、私が一番大切にしてほしいのは、
「この歌を通して、何を伝えたいのか。」ということです。
言葉や発音が完璧でなくても、「伝えたい」という気持ちは人に届きます。
音楽には、言葉をすべて理解する前に、人の心を動かす力があります。
EVEは、ただ英語が上手な人や、
歌が上手な人を決めるためだけの場所ではありません。
一曲の中にあるストーリーや感情と向き合い、
「この言葉はどういう意味だろう」
「この曲にはどんな気持ちが込められているんだろう」
「私はこの歌をどう届けたいんだろう」
と考える機会でもあります。
グループで参加する皆さんにとっては、
仲間の声を聴き、自分の役割を考え、声を合わせながら、
一人ではつくることのできない表現をつくり上げる経験になります。
ソロで参加する皆さんにとっては、
一人でステージに立ち、自分の声、自分の表現、
自分自身の選択に責任を持って届ける挑戦になります。
どちらの形であっても、EVEを単なるコンクールとしてではなく、
自分自身が成長するための機会として捉えてほしいと思っています。
完璧である必要はありません。
大切なのは、自分なりの目標を持ち、その目標に向かって努力し、
積み重ねてきたものをステージで表現することです。
EVEが、皆さんにとって歌うことの楽しさを改めて感じる場所であり、
自分自身の新たな可能性に気づく場所になることを願っています。
そしてこの経験を終えたときに、
「自分にはできないと思っていたことに、挑戦できた。」
そう思える瞬間が一つでも生まれれば嬉しく思います。
今回のEVEで、皆さんがどんな歌声、どんな表現、
そしてどんなステージをつくり上げてくれるのか。
今からとても楽しみにしています。
ユースシアタージャパン劇団代表
ジョアン・ラスボ




