少子化時代の習い事

投稿日:
2026-05-01
更新日:
2026-05-01
劇団代表ブログ

「これからの時代、どんな習い事を選べばいいのでしょうか?」

幼稚園や小学生のお子さまを持つ保護者の方とお話しする中で、
このようなご相談をいただくことが増えています。

「幼児のうちに始める習い事は何がいいのか」
「小学生になったら、どんな習い事がおすすめなのか」
「人気の習い事やランキングも気になるけれど、本当に子どもに合うものはどれだろうか」

そんなふうに悩まれる方は少なくありません。

少子化という言葉を聞くと、
「競争が激しくなるのではないか」「将来に備えて何かさせた方がいいのではないか」と、
習い事選びにも慎重になる方が多いように感じます。

ですが、私は少し違う視点を持っています。

子どもの数が減る時代だからこそ、
一人ひとりの経験の“質”が、これまで以上に重要になる。

その中で、どんな環境に身を置くかは、
子どもの成長に大きく影響していきます。

ここで一度、習い事の選び方について、
シンプルな視点を3つだけお伝えしたいと思います。

一つ目は、子どもが「やってみたい」と思えるかどうか
興味や好奇心があるかどうかは、継続に大きく影響します。

二つ目は、失敗や試行錯誤が許される環境かどうか
うまくいかない経験の中でこそ、主体性や問題解決力は育ちます。

三つ目は、誰と取り組むか
どんな仲間と時間を過ごすかによって、子どもの成長の質は大きく変わります。

ユースシアターでは、全国で何千人ものメンバーが、
同じ目標に向かって日々活動しています。

舞台に立つ。
作品をつくる。
仲間と一つのものを創り上げる。

放課後や休日の時間を活用しながら、無理なく通いやすい形で続けられる活動として、
いわゆる習い事やスクールのように日常の中にありながらも、
それ以上の経験が積み重なっていきます。

一見すると数ある習い事の一つかもしれませんが、
そこで育まれているものは、単なる技術習得にとどまりません。

例えば、ある小学1年生のメンバー。

最初はレッスンの中で、
自分の名前を言うことすら少し緊張してしまうような子でした。

それが数ヶ月後、
チームでの練習の中で、こんな言葉を口にしたのです。

「もう一回やろう。次はもっと良くなると思う」

誰かに言われたわけではなく、
自分の意思で仲間に向かって発した言葉でした。

そこには、主体性や積極性、そして自律といった力の芽生えがあります。

この変化は、単に“慣れた”からではありません。
同じ目標に向かう仲間の存在が、自然と意欲を引き出しているのです。

また、別の幼稚園年長のメンバーは、
レッスン後にこんな話をしてくれたそうです。

「今日ね、お友だちが困っていたから、一緒にやったの」

これまで自分のことで精一杯だった子が、
相手に目を向け、行動するようになる。

ユースシアターの活動は、
“自分が上手くなること”だけでは成立しません。

舞台は一人ではつくれないからこそ、
自然とコミュニケーション能力やチームワーク、協調性が育まれていきます。

さらに、舞台で表現する経験は、
自分の考えを伝える力にもつながっていきます。

言葉や身体で表現する中で、
表現力や自己主張、プレゼンテーション力が磨かれていく。

うまくいかないときには考え直し、工夫することで、
問題解決能力や論理的思考も育まれていきます。

こうした力は、いわゆる非認知能力と呼ばれるものです。

少子化の時代において、
子どもたちが出会う人の数や経験の幅は、どうしても限られがちです。

しかし、多様な仲間と関わりながら一つの目標に向かう経験は、
それだけで大きな意味を持ちます。

価値観の違いに触れ、
時にはうまくいかないこともありながら、
それでも前に進んでいく。

その積み重ねが、これからの時代を生きる力になっていきます。

「どんな習い事がいいか」

その答えは、一つではありません。

ただ一つ言えるのは、
“何を習うか”以上に、
“どんな環境で、誰と取り組むか”が重要だということです。

あなたのお子さまは、どんな環境で、どんな時間を過ごしていきますか。

その選択が、未来を大きく変えていくのかもしれません。

劇団代表

ジョアン・ラスボ

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