
「これからの時代、どんな習い事を選べばいいのでしょうか?」
幼稚園や小学生のお子さまを持つ保護者の方とお話しする中で、
このようなご相談をいただくことが増えています。
「幼児のうちに始める習い事は何がいいのか」
「小学生になったら、どんな習い事がおすすめなのか」
「人気の習い事やランキングも気になるけれど、本当に子どもに合うものはどれだろうか」
そんなふうに悩まれる方は少なくありません。
少子化という言葉を聞くと、
「競争が激しくなるのではないか」「将来に備えて何かさせた方がいいのではないか」と、
習い事選びにも慎重になる方が多いように感じます。
ですが、私は少し違う視点を持っています。
子どもの数が減る時代だからこそ、
一人ひとりの経験の“質”が、これまで以上に重要になる。
その中で、どんな環境に身を置くかは、
子どもの成長に大きく影響していきます。
ここで一度、習い事の選び方について、
シンプルな視点を3つだけお伝えしたいと思います。
一つ目は、子どもが「やってみたい」と思えるかどうか。
興味や好奇心があるかどうかは、継続に大きく影響します。
二つ目は、失敗や試行錯誤が許される環境かどうか。
うまくいかない経験の中でこそ、主体性や問題解決力は育ちます。
三つ目は、誰と取り組むか。
どんな仲間と時間を過ごすかによって、子どもの成長の質は大きく変わります。
ユースシアターでは、全国で何千人ものメンバーが、
同じ目標に向かって日々活動しています。
舞台に立つ。
作品をつくる。
仲間と一つのものを創り上げる。
放課後や休日の時間を活用しながら、無理なく通いやすい形で続けられる活動として、
いわゆる習い事やスクールのように日常の中にありながらも、
それ以上の経験が積み重なっていきます。
一見すると数ある習い事の一つかもしれませんが、
そこで育まれているものは、単なる技術習得にとどまりません。
例えば、ある小学1年生のメンバー。
最初はレッスンの中で、
自分の名前を言うことすら少し緊張してしまうような子でした。
それが数ヶ月後、
チームでの練習の中で、こんな言葉を口にしたのです。
「もう一回やろう。次はもっと良くなると思う」
誰かに言われたわけではなく、
自分の意思で仲間に向かって発した言葉でした。
そこには、主体性や積極性、そして自律といった力の芽生えがあります。
この変化は、単に“慣れた”からではありません。
同じ目標に向かう仲間の存在が、自然と意欲を引き出しているのです。
また、別の幼稚園年長のメンバーは、
レッスン後にこんな話をしてくれたそうです。
「今日ね、お友だちが困っていたから、一緒にやったの」
これまで自分のことで精一杯だった子が、
相手に目を向け、行動するようになる。
ユースシアターの活動は、
“自分が上手くなること”だけでは成立しません。
舞台は一人ではつくれないからこそ、
自然とコミュニケーション能力やチームワーク、協調性が育まれていきます。
さらに、舞台で表現する経験は、
自分の考えを伝える力にもつながっていきます。
言葉や身体で表現する中で、
表現力や自己主張、プレゼンテーション力が磨かれていく。
うまくいかないときには考え直し、工夫することで、
問題解決能力や論理的思考も育まれていきます。
こうした力は、いわゆる非認知能力と呼ばれるものです。
少子化の時代において、
子どもたちが出会う人の数や経験の幅は、どうしても限られがちです。
しかし、多様な仲間と関わりながら一つの目標に向かう経験は、
それだけで大きな意味を持ちます。
価値観の違いに触れ、
時にはうまくいかないこともありながら、
それでも前に進んでいく。
その積み重ねが、これからの時代を生きる力になっていきます。
「どんな習い事がいいか」
その答えは、一つではありません。
ただ一つ言えるのは、
“何を習うか”以上に、
“どんな環境で、誰と取り組むか”が重要だということです。
あなたのお子さまは、どんな環境で、どんな時間を過ごしていきますか。
その選択が、未来を大きく変えていくのかもしれません。
劇団代表
ジョアン・ラスボ

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