Everyone Can Be a Leader~みんなが、リーダー!~

投稿日:
2023-02-02
更新日:
2024-02-16
劇団代表ブログ
リーダーシップ

今年のEnglish Vocal Election 全国英語歌唱コンクール(以下、EVE)の全国審査が1月15日(日)に行われました。小学生低学年部門の全国最優秀賞は『This is Halloween』。少し怖くみせるような演技や歌がとても上手なチームで、会場も盛り上がっていました。

この曲はティム・バートン監督の「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」という映画の主題歌ですが、小学生低学年が歌うことに関して「怖いテーマの曲を低学年の小学生が歌っていいの?」など少し懸念がありました。

最初レッスンに入ったスタッフも、メンバーが『This is Halloween』 を選んだ時、少しびっくりしていたそうです。「メンバーが取り組みたいと言っていましたから、私たちはその気持ちに寄り添い、熱意がクオリティーが高いパフォーマンスに繋がるようにメンバー自身の目標を実現できるように頑張りました」とスタッフが話してくれました。

しかし、この曲を選んだチームが全国の優勝賞を受賞されるほど素晴らしいパフォーマンスをみたとき、最終的に私たちが悩む必要はなかったのかな、と感じました。子供たちは自分ができることを大人たちに証明してくれたんです。しかし賞より僕が大事だと感じているのは「将来に貢献した」こと。

例えばEVEの状況において、もし上記のメンバーたちを「リーダー」とするなら、どうしてリーダーといわれるのか、その理由を2つあげます。

①「歌や演技のスキルが優れているから他の人に勝ち、優勝したのでリーダーだ」

②「EVEで歌うなら"この曲だね!"という固定概念を破り、これからのイベントでの可能性や多様性に貢献したからリーダーだ」

どちらもリーダーを選ぶにあたって、正しい理由になりますよね。

今後、国際化社会において「リーダーシップ」はますます大事になるスキルだと言われています。そのため、リーダーシップ教育に取り組む教育施設も増えてきています。

YTJもその一つです。

YTJの基本理念には「子供と大人を対等な立場で一緒にエンターテイメントを作る」があります。

例えば、EVEの時にはメンバーに候補を提示して「どの曲を歌いたいですか?」と聞き、一緒に協議して最終的にメンバーの判断に従います。

もし来年以降EVEで「少し怖い曲をやりたい」や「変わっている曲をやってみたい」や「季節と合わなくても、めっちゃ楽しい曲なのでやってみたい」という声があれば、スタッフは「なんでその曲なの?」のような否定するような返答ではなくて「2023年のEVEで“This is Halloween”をやったチームが優勝したから、あなたたちもそのチームと同じように頑張れるかな?」とメンバーの背中を押すような答えになるのではないだろうかと思います。

つまり、今回のことは“イベントの多様性”に貢献していたのではないかと思います。

「典型的な曲ではなく、違う曲でもいい」という、学びがこれから何年も残るのではないかと考えています。

これらをふまえて、今後どのようなリーダーを育てるか、ここで少しお話したいと考えています。

「リーダー」を育てるための、質問を2つします。どちらの世界に住みたいですか?

①皆が競い合っている世界

②皆がいつも助け合っている世界

では将来、社会における「リーダー」はどちらがよいですか?

①一番成績が優秀で、誰にも負けない人がリーダー

②新しいことにチャレンジし、皆の将来に幅広く柔軟に貢献するのがリーダー

将来のリーダーたちには、多様性がある人たちになって欲しいと言う声もあります。

例えば、男女平等に関して世界のなかで日本は116位だという評価を受けました。(2022年時点)

※参照:https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2022/202208/202208_07.html

その評価をうけた要因の一つとして、日本の政治・経済界では、男性のほうが割合的に多いことです。そのため、女性のリーダーを日本で増やしたいという意見もあります。

それを実現するためには「女性のリーダーでもいい」との考えを広める必要があるのではないだろうかと感じています。日本における「典型的なリーダー」のイメージ=男性かもしれないですから。これまでのリーダー像にとらわれず、新しい意見に耳を傾けたり、いままでとは違う方法を用いなければ、何も変わらないのではないでしょうか?

YTJでも、メンバーが「いつもとは違うことをやってみたい」「変わったことしたい」という子供たちを受け入れ、育てることができるなら将来に新たな選択肢が加わり、影響を与えることができると思います。「普通じゃなくてもいい!」と周囲も受け入れ、さらに認めてもらうことができる人材を育て、リーダーとなるなら影響が何倍にもなるのではないかと思います。

多様性に貢献することは、誰でもできます。

キング牧師の言葉を使用すると「人は誰でも偉大になれる。なぜなら、誰でも人に奉仕することができるのだから」。

「一番」になった人がリーダーとした場合、“一人”しかリーダーになれません。ですが、多様性に貢献する人をリーダーとするなら、誰でもなることが出来ます。

EVEでソロ部門として優勝した一人が「Wicked」というミュージカルの『Defying Gravity』と言う曲を歌いました。その歌詞を紹介します。

ーー

「I’m through accepting limits ‘cause someone says they’re so. Some things I cannot change, but till I try I’ll never know.」

「誰かによって決められたことを、受け入れるのはもう嫌だ。

変えられないことはあるけど、チャレンジしてみないとわからない。」

ーー

これまでと違う曲を歌うことができない

他の人と競って、1番になった人しかリーダーではない

多くの女性は、リーダーの役割に向いていない

などそれぞれの立場や置かれた状況によって考え方はそれぞれ違いますが、

全てに対して同じことがいえます。

それは、周りの誰かが決めたことではありませんか。

変えることが出来ないかもしれないけど、一緒にチャレンジしてみましょう。

Try defying gravity!

劇団代表

グレゴリー・ウルフ